『ギフト・エコノミー(gift-economy)』
数年前にどこかでこの言葉を目にして、頭に残っていてずっと引っかかっていた言葉です。
正式な経済学用語にはなっていないようですが、現代の社会やとりわけネット業界では、その考え方が主流につつあるようです。しかし、日本ではまだまだ浸透はしていません。
しかし、そのことを強烈に印象付けて意識しだしたのは、犬の血液探しがキッカケでした。
犬の輸血用の血液を手に入れたい気持ちからギフトエコノミーがなぜか浮かんだ
『犬の血液って1種類しかない』
そうやって教えられていたんだけど、厳密にはそうじゃないんですね。たくさんあるけど、ほとんどがどれでも適応するっていうだけで。
とあるワンちゃんが致死量以上の長ネギを平らげてしまって、生命が危うい。数日中に輸血が必要になる可能性が高く、それをやっても助かるかどうか。そう告げられていました。
ここで問題だったのは、DEA1.1 陰性(-)という非常に珍しいタイプ血液型が必要で、どこにもなかったということ。更に追い討ちをかけるように、年末だったのでどこの病院も動物専門の施設も開いていなかったということ。
もうね、泣きながら私が取った方法はこれ。
- 友達の友達の友達・・・とかまで聞いてもらった
- フェイスブック・ツイッターで拡散した
- ミクシーのコミュニティで募った
はじめは全然拡散もしなかったし、アクションすらありません。
正直、なんでなんじゃっ#て気持ちもあったけど、会ったこともない人・知らない犬に、誰が自分のところの可愛い愛犬の血液を、時間と手間をかけて差し出すかっていう話で、当然です。
しかし、時間がたつとポツポツとメッセージをもらいました。
『提供できる距離じゃないけど、近くなら提供します。』なんて信じられないくらい暖かいメッセージをたくさん貰った。しかも、何人かの方は『提供しますよ、車で駆けつけますよ!』っていうメッセージも。泣けた。
自分の愛犬の血液を見知らぬ人に提供しようとしてくれた全国の方々への優しさとパワー、そして感謝しても仕切れないありがたさをとても感じました。
そして、この事がほとぼり冷めて冷静になってきた時に、
ギフト・エコノミーっていうものが強烈に浮かんでくるようになった次第です。
ギフト・エコノミーとは? カルマ・キッチンというレストランから生まれた経済学
発祥はカリフォルニア州バークレーにあるカルマ・キッチン(カーマともいう)というレストラン。
メインディッシュからデザートにいたるまで、豊富なメニューが並んでいますが、メニューには値段が書かれていないそうです。。
なぜかというと、食事のしてその代金のいくら払うかは客が決める仕組みということ。時価ではありません。
客が料理を食べ終わると、伝票の代わりに封筒が置かれるそうです。
その中にはこのようのメッセージカードが入っています。
『寛容の精神に基づいて、この食事はあなたの前に来ただれかからの贈り物です。
私たちは、あなたがこの循環を続けてくれることを願っています。
もし、これから訪れるお客様へこの輪をつなげたいと思ったら、封筒に無名の寄付を残してください。』
食事をしたあと、この封筒の中にお金をいくら入れるかはそれぞれ個人の自由。
客から回収された封筒は閉店後に開封されるため、匿名なので誰がいくら入れたかはわからないです、誰がいくら払ったか、あるいは払わなかったかは、一切分からないようになっています。
カーマレストランの創設者、ニプン・メーター氏によって提唱されてコンセプトで、これが『ギフト・エコノミー』という考え方です。
ギフトエコノミーとは、自ら進んで与えることを前提に成立する経済で、需給関係で価格が決まり、貨幣の支払いと引き換えにモノやサービスが提供される市場経済とは異なり、ギフトエコノミーでは、お互いの善意と信頼関係が必要です。
(合計0ドル! INSIGHT NOW!から引用、一部削除・追加)
日本でもその流れが少しずつ浸透しつつありますが、。
参考:カルマキッチン-優しさでつながるレストラン:ギフト経済ラボ
簡単に言えば、『自分が受け取った全の心を次の人に渡していく』ということです。現代風に広義に言うと、『自分がして欲しいことは、自分がしてやれ』っていうことになると思います。
バブル時代はどんなくだらないもの・美味しくないものなど、何を作っても売れましたが現在は違います。
もちろん、ワンマンで・1社ひとり勝ち的な所もありますが、全体的な流れを長期的に見ていると同業多種がうまく組み合って多角化しないと生きていけない世の中だと痛感。それは規模の大きさ関係はありません。
整形外科や内果のクリニックが寄り集まっている医療モールがありませんか?それもそのひとつの例です。それでも、うちの近所の半径5キロ以内にその医療モールが3つひしめき合っているっていう厳しい現状。
ライバル会社を引きずり下ろしたいというのが正直なところかもしれませんが、良い所・悪い所を共有して・補てんしあってWin-Winな関係が築ける世の中だと思っているのです。
これが広まる背景と推進したい理由はブログの趣旨とも少しかぶってる
この流れが出てきて更に広まっているのは、孤立していく若者、核家族化の増加、ネット社会でコミュニケーション形態に問題あるという背景があります。
その人と人との繋がりが様変わりしていくなかで、その大事さを一部の人が感じて広がったというのが理由にあるからじゃないのかなと思います。
それに加えて、年収200万台の若者などの低所得者層が増える一方で、富裕層も増えています。
ようは中間層がいなくなっている状態です。ユニクロの柳井社長がいっていたことですが、これは程度はどうあれ間違いない。(参考:朝日新聞デジタル:「年収100万円も仕方ない」: 経済・マネーリンク先消失)
複雑になりすぎている現代の社会コミュニケーションと、経済不安にこの貧困格差。
薄弱とした日本の繋がりに、貧困と富裕的要素がプラスされて絡まっていると強く感じるのであります。
何が言いたいのかていうと、自分も含めて、なんだか今は心身ともに不健康な人がたくさんじゃないのかなぁ~という感じ。
難しい言葉を論じる所じゃないから、思いっきり崩して言うと、もうちょっと楽しいことを考えてミンナで遊んで・動いていれば、自然に心身ともに健康になるんじゃない!?ってこと。
最近、ちょっと人とのつながりや古きよき時代の風潮がどこか薄くなってきている気がして、寂しい気がします。自分が生きていく上で求めているモノや考えを、このブログとドメインの趣旨に乗っ取って発信していこう・やっていこうと思っています。
どんなこと????って言われると、まだイメージや形にできていない部分もあるので困ってしまうんですが。^^;
最近、仲の良い知人などと、ちょっと楽しみながら色々話し合ったり、動いたりとしてきていて動き始めている印象でいい感じです。まだまだですけども。
ちょっとずつ、ちょっとずつ形にして、
『笑いが耐えない集合体』を創っていきたいです。
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