これは完全に事件である。
ここまで偏屈でありながら、最高の肉とコストパフォーマンスを提供してくれる大将に完敗した。これくらいのお店なら、名古屋焼肉協会会長の水野さんとぶりあん君にも、ためらいなくプッシュできるのでここに紹介する。
先に言っておくと、店主は非常に癖がある。
癖があるという言葉も生ぬるいほどに癖がある。
しかし、許せる。
肉質は程よい脂が乗っていて、店主のキャラとは違って驚くほど癖がなく上質だ。
でかい口を叩くだけのことはあったのだ。美味ければいいのだ。
これは肉好きの、肉好きにによる、肉好きのための焼肉屋さん。
食べログとかでは掲載されていないマイナールール的なものもあるっぽいので、以下に記載することにする。
さあ、扉を開けて行ってみようぞ。
お店の特徴や大将のこだわり等を少々語ろうか。
こちらのお店、実は10年ほど前から存在は知っていたものの、完全に常連客がこぞって通う雰囲気があるので行ったことはありませんでした。
お店の雰囲気とか四の五の言う前に、客を寄せ付けないであろう上記の出来事を語ろう。
人気店っていうのは食べログとかでもリサーチ済みでした。1年ほど前に電話予約をしようとしても無理だった(激無愛想だったことはいうまでもない)けど、今回は何とか予約できた。
つっても、1ヶ月前に電話したら、「そんな先の予約なんてわからないから、もうちょっと前になってから予約の電話してよっ。」っていう返答だったので、1~2週前に予約。なんじゃそれ。それで希望日で予約できなかったらどうすんのよ、と思いながら従った。
そして、無事予約してその日のオープン時間の4時にタクシーで乗り付けて入店して着席。
カルビ2人前!
・・・ぁあ、、はい、、カルビ2ね。。。
他はーホルモン3人前!
・・・ホルモン?、はい、、3ね。。。
そうしたら、なんと大将から・・・
・・・自分らさぁ、ここにくるの初めて?
こんなこと言って悪いんやけど、そんな注文の仕方やめといてくれる?
とな・・・。
普段ならこーゆー傲慢なお店には絶対行かないし、もしこんな態度とられたら速攻で店を出ていくんですが、ナニブンわざわざ入念に予約をオープン時間に入れて、1時間以上かけて電車でむかってタクシー乗って、さらに同席者もいたのでグッとこらえました。
この日、1組目の客だったこともあって大将と話しているうちに、その内訳っていうか理由がわかってきました。でも、クチの悪い感じは相変わらずな感じでしたがw
簡単に言うとこんな所
- こんないい肉を頑張って仕入れてるんだから、それを食べてほしい。
- この値段でこの肉質出す店は絶対ないから。見たらわかるって。
こんなやりとりがあったので、うん、まあ、接客にやや難ありなのは目をつぶろうって思った次第さベイビー。
相当な自信を持っていらっしゃいました。 それなら、っていうことで大将のオススメをおまかせで出してもらうことになりました。
焼肉すっきゃねんもくもくは全ての肉がオススメ!
店外の外観は焼肉屋さんっていうよりも、THE・ホルモン屋さんといった風体。
店内もそんな感じの味のある創りでこじんまりとしている。上のおすすめメニュー表もそんな雰囲気プンプンでございます。
お客さんがいないので、その店と食事をゆっくりと堪能できますね、こりゃ。
網が焼けるまで肉をおいてはいけません、当然ですよ。
焼肉が出てくるまで、チャンジャで乾杯。ビールは撮り忘れた。
程よい辛さでビールが進む。ビールは撮り忘れた。ビールは撮り忘れた。ビールは撮り忘れた。
ちょっと珍しい種類の牛肉ばかりだったし、大将がドンドン持ってくるので写真と名前が合致しないかもしれないので注意されたしです、はい。
とにかく、牛タンからロース、その他の聞いたことがない牛肉の部位、全部ヤバヒィ(||゚Д゚)
こちらが多分『和牛上タン塩』1250円。ノーマルの和牛タン塩ではないいい。
ヤ・・・ヤバイ。この厚みとこの輝く肉質・・・。
普通のお店でペンペラのやつでも1000円とかしちゃうのに、このクオリティでこの値段はヤバイ。生でもいけるよ的なことを店主がおっしゃっていました。まじかよファンキーマスター。
塩がついているのでこのまま食べてもオッケーですし、つけダレで食べてもオッケー。
そして、店構えで判断してはイケナイ。ここのつけダレもすげークオリティ。
サラッとしたタレにシャープなキレのある醤油ベースのタレで、完全に私好み。
つけダレ撮り忘れた。ので拡大して写真をご提供。
こちらは『和牛焼きレバー』って名前だったかな。
刺しで行きたい所ですが、表面をさらっと焼いて頂きます。激烈久しぶりに食べる炙りレバー激ウマ。ほぼ生だけど臭みはありません。ぐっど。
続いてきたのが、『ザブトン上ロース』と『上ハラミ』。ちょっと店内は光不足と逆光で肉質が伝えきれないのが悔しいですが、これまたヤバイの来た。
どちらがザブトンでどっちがハラミかよくわかりませんが、見た目から勝手に判断すると写真の左がザブトンで、右がハラミと思われます。
ヤバイの来たっていうのが伝わりにくいので、厚みを見てもらえるように横から写真を撮ってみましたよ。
↑ヤバイこれ・・・。1センチ以上の厚みの肉がこんなお店で・・・って言ったらいけないけどすごいわコレ゙!o(゚Д゚)っ。
あまりにもヤバイのでドアップで。やばいっしょ?これしか言ってない。
「焼肉でザブトンってどこの部分?」って思って聞いてみると、肩ロースに続く九分回りの部分で1頭で数キロくらいしか取れない希少部位のレア所。色も味も濃い目でゼラチン質が多い部分だそう。ステーキだけじゃなくて、寿司とかに使われたりするので脂が美味しい。
っていう上品なお肉なので、ワサビで食べてってことで上品にワサビで。
うっま!ワサビ合うぅぅ!!!
続いてハラミを焼く。
丁寧に焼く。女性をいたわるように。
3人で行ったのに2切れしかなかったので、ケンカになりかけましたが仲良く分けて食することに。
ビビったのは箸で簡単に切れたっていう柔らかさの肉。超絶すごい。
こちらは『カイノミ上ロース』。もはや何なのかわからないっていうツッコミは置いといて、これまたすごい質感と厚みの肉が出てきた。
この店ではロースって言う名前がついてますが、実はカルビ肉の一種だそうだ。
これはカルビやヒレ肉の近くにあって、 貝のような形をしているのでそう呼ばれているんだとか。こちらも1頭の牛から左右一対のブロックしか取れない希少部位。上記と同じく刺し身で食べたりする部位。
そんなお肉を厚切りで豪快にジュージューと焼き続ける。こちらも神の領域の肉質とお味。アカン、よだれ出てきた。
こちらは、上とは別の?ハラミだっただろうか。もはや記憶できていない。ごめんなさい。
もう、どれもウマすぎて酒が進んでこの辺からグルメレポートのことは忘れて、深く、本当に深く味わっておりました。
リーサル・ウエポン1登場
でも、来ましたリーサル・ウェポンパート1。
こちらが1日4つ?限定の『壺漬けカルビ』。
なんで4つなのか、どんだけ漬け込んでるのかどんな製法なのかはわからないけどレア度は間違いないだろう。霜降りの新鮮な肉が、丁寧に浸かっていて味が染み込んでいること間違いない。
とぉ~りゃぁ~~~~~~!
ジュンジュワァ~!という食欲をそそる音とともに焼きあがってくるその香りが、なんともたまらん。
こちらはお肉の甘味プラスつけダレの甘み?があって、他の牛肉よりも柔らかでございました。美味也。
そして、しばし少休止の箸休めの『にんにくばくだん』。
これで少休止かよって感じですが、ガッツリ食べまくっていて浴びるように酒を飲む若い衆が、あまりの焼肉の旨さに酒を飲まずに味わって食べていたので、ここいらでツマミながら酒を飲む飲む。
こちらは私の大好物の『上ミノ』。
ミノは説明不要の第一の胃袋で、硬いけど癖がないので女性に人気の焼肉の部位。女性と焼肉を食べに行ったら間違いなくチョイスしなければならない一品です。
あの噛みごたえのある歯ごたえはもちろんですが、噛み切れない品質のお肉はもちろん提供されません。最高品質の太鼓判です。
こちらは『ホルモン』。
安いお肉だったら臭みがすごい、脂がすごすぎる、焼いたら脂が滴り落ちて身がなくなるって言うパターンが多いですが、もちろんクオリティ高すぎ。
ミノの食感が忘れられないっす。ホルモンも程よい脂で噛み切れないわずらわしさがない食感でグッド。
お酒飲めないのにグイグイいってます。
こちらは『コリコリ』っていう部分。
あんまり馴染みがなくて食べたことがないけども、こちらもホルモンの一種類で大動脈の部分。名前のごとく、コリコリした食感で歯ごたえが楽しい。軟骨に近い触感で、こちらはそのまま食べても結構塩味が聞いておりました。
リーサル・ウエポン2もあるのかよ!
飲んで食べてしまくったので、最後に大将に「他にオススメないですか?」って聞いてみると、リーサル・ウェポン第2段登場!
なんと、その最終兵器は・・・・・
『たまごかけごはん』!
ま・・・まぢか!www
意外な品に失笑も混じった声を出してしまいましたが、冒頭の大将の自信満々のくだりがあるのですぐさま冷静になって真顔になった私達。もちろん、迷わず全員が注文。
いや、俺がオススメるすんやで?
ご飯も醤油も卵も普通なわけないやん。
そりゃそうだよな、アレだけの強気発言だったけど、あの肉質とあの美味さじゃもんね。。。
って、やっぱり強気の発言に期待度マックスになりました。
ということで、早速持ってきてもらいました。
大将が白身を抜いた黄身だけが3つ乗っかったご飯を持ってきてくれます。醤油も大将が最高の分量で程よく混ぜてくれます。
ので玉子を割る前の写真はありませんが、この黄身の色はすごいな!新鮮そのものでこだわりの職人チョイスの品だ。
一口頂く・・・・・・・・・・・・・・・・。。
!!!!!
うっめっ!
なんじゃこれ、うっめ!!
これ普通の生卵の味しない!普通の醤油じゃない!
玉子の濃厚な味もさることながら、そのとろみはもちろんスーパーで売っているやつの比じゃァない。何より、玉子そのものの甘みがものすごい。ものすごいぞ、この玉子。
私はタマゴフェチなのでお世辞は一切言っていない。すごい玉子のトロミと甘みがすさまじく、今まで食べた中でナンバーワンだ。
そして、これね、混ぜた後なら到底わからないことなんだけど、このたまごかけごはんの主役は玉子じゃなくって醤油だ。いや、醤油っていうかタレだ。
ちょっと味見してみたけど、醤油の味じゃない。今まで玉子かけご飯専用醤油をいくつも試したことがあるけど、それとは別物です。
醤油より甘い。めんつゆより辛い。どちらよりもダシが効いている。
いうなれば、『醤油+めんつゆ+だし汁』といった印象のおつゆが適量まぶされて、固めに炊き上げられたホクホクのご飯にフィーチャーされている。
計算しつくされたプロの味。
完敗だ。美味しくて有名だというのはなしに聞いていたが、ここまでとは。
毎日通勤で通っていた道なのに灯台下暗し大正デモクラシーである。
焼肉好っきゃねんもくもく【三重県桑名市】の定休日・営業時間やメニュー等の店舗情報
サイト | ホットペッパーで確認する |
席数/駐車場 | テーブル・座敷4(4~6人がけ)/駐車場あり |
電話/予約 | 0594-24-7803/予約可 |
営業時間/定休日 | 16:00~22:30(なくなり次第終了)/月曜日(不定休あり) |
住所・アクセス | 〒511-0834 三重県桑名市大福681 |
桑名駅から歩くのはちょっと遠いです、歩けなくはないけどね。自分らはタクシー拾っていきました、お値段は1,000円ちょっとですので飲みたい方はどぞ。
▼メニュー表と注意点
↑こちらが通常メニューですが、やっぱりホワイトボードのから食べた方が間違いくいいでしょう。しかも、最初のうちにね。おなかすいてる時に上質なものを食ったほうがうまいに決まってます。
注意点というか、上記で申し上げたことを含めて、当日に聞いた話とかを箇条書にしてみます。
- どうやら席数が少ないので、予約した人?なしの人も?90分の時間制限があるらしい(回転数が悪すぎると儲けが出ないかららしい)
- でも、私らはめっちゃ注文したので時間オーバーしても大丈夫だった(ので大人数でいっぱい飲み食いしたらいいかも?)→入店時に先に言っておくといいかも?
- 肉がなくなったら終了なので、早めに行くか電話予約をしよう(予約も早い時間に)
- 確実に予約を取ろうと随分前だと断られる可能性もある
- ちょっと癖があるけど優しいマスターなので初めて行く人はそのつもりで行こう
焼肉すっきゃねんのまとめ
いやー、いいお店のレビューは文章も長くなって、写真の量も多くなってしまいますね。今回は久しぶりに長編になってしまいました。
もう、上記の通りなのでここでコメントすることはほとんどありませんが評価して数値化するとこんな感じになるかなと。
味・美味さ | ★★★★★ 5 |
コストパフォーマンス | ★★★★★ 5 |
接客・サービス | ★★★☆ 3.5 |
清潔度 | ★★★ 3 |
総合評価 | ★★★★☆ 4.5 |
美味しさはお世辞抜きの満点です。肉質で言えば、松阪牛の海津級のものがこれだけ安く食べられるんだから安さも満点です。
これだけっていってもわかりにくいでしょうけども、肉好き男3人が上記の品々をお腹いっぱい食べて、ビール1人3杯くらい飲んで2万円くらい。多分、普通の男性ならもっと安く済むでしょう。
名古屋とかにいけば焼肉屋さんも多いしこれ級のお店もあるかもしれないけど、この値段でこの肉質とこだわりを味わえるところは、早々ありません。辛口レビュアーの自分が太鼓判です。
接客自体は「ん~?」なんて思う部分もありましたが、慣れてくれば気さくでがっはっは!と一緒に笑える大将です。その点とかを考えてトータルすると、総合点は4.5。惜しい!
ここまで満点に近い飲食店は食レポ職人の自分の評価では、そうそうでてくることはありませんね。もちろん、リピート決定で次回も行く予定がすでに立っています。次回で満点になるかもですねw
楽しみです!
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